ひざに水が溜まった状態とは?原因や病気、ひざサポーターの活用について

ひざに水が溜まった状態とは?原因や病気について

ひざ全体が腫れぼったくなってしまうと、ひざの曲げ伸ばしが不自由になります。
その状態のまま病院で診察を受けると、「ひざに水が溜まっている」と診断を受けることがあります。
また、「ひざの水を抜きましょう」と提案されることも多いでしょう。
そもそも、なぜひざに水が溜まってしまうのでしょうか。
ひざには太ももの大腿骨、すねの脛骨、ひざのお皿である膝蓋骨によって構成されている関節で、そこには大腿四頭筋といった筋肉や膝蓋腱と呼ばれる腱によって支えられています。
関節内の骨は軟骨がクッションとなっており、また関節全体を包んでいる関節包の内側にある柔らかい滑膜によって保護されています。
また、関節がスムーズに動くように「関節液」と呼ばれる水が入っていて、軟骨を保護するために栄養を供給しているのです。
「ひざ関節に水が溜まる」とは、この関節液が増加してしまうことによって生じる症状です。
関節液が増加してしまう原因は、ひざ関節内の軟骨に損傷を起こしていたり、炎症が生じていたり、外傷などによる内出血であることが見られます。
これらの原因を取り除くことによって、ひざに水は溜まらなくなりますが、根本原因を解消せずにただ単に水を抜いただけでは、また水が溜まってしまうこともあります。
これが「ひざの水を抜いたら癖になる」と言われる理由となっています。
水が溜まるひざを治すには『ひざサポーター』がおすすめ!

ひざの水は、ひざのアクシデントによって、ひざ関節内にある関節液が増加してしまうことによって生じてしまう病気です。
多くのケースでは、ひざ関節内の軟骨がすり減ってしまい骨同士がぶつかり合うことによって、炎症を引き起こすことが引き金となって水が溜まります。
このようなケースの場合、仮に水を抜いてしまうと、さらに軟骨をすり減らしてしまう原因になりますから、再発してしまう原因になることがあります。
そのため、ひざの炎症などを取り除く治療と共に、ひざサポーターを活用することをおすすめします。
ひざにかかる負担を軽減させることができ、水が溜まる根本原因の治療に取り組むことができるからです。
水が溜まったひざに使うひざサポーターの種類
ひざに水が溜まる症状に活用するひざサポーターには、さまざまな種類のものがありますが、活用するシーンは次のケースが考えられます。
- 仕事や家事など活動量が多い
- 活動量が少ない
- 安静を保ちたい
ひざサポーターもこれらのシーンに応じて大きく3種類に分けることができます。
そのため、生活状況や治療の状況などにあったひざサポーターを活用するといいでしょう。
仕事や家事などにおいて、どうしても活動量が多くなってしまう場合においては、ひざの両サイドを補強できるタイプを用います。
ひざのぐらつきを抑えることができ、関節内の軟骨のすり減りを抑えることができます。
自宅内など、それほど活動しないようなシーンにおいては、やや短めのひざサポーターを活用すれば、簡易的に活用することができますので使いやすくなっています。
ひざの負担も軽減させることができますので、治療の効果も高めることが可能です。
安静にしているような場面においては、冷やさないようにすることが大切です。
冷やしてしまうことで症状を悪化させることがありますので、保温タイプのひざサポーターを活用するといいでしょう。
ひざに溜まる水~「膝関節水腫」とは
ひざに水が溜まる原因については、ひざ関節内に炎症が生じて関節液が増えてしまうことや、外傷などによって内出血してしまうことによって生じます。
この関節に水が溜まる症状のことを「膝関節水腫」、靭帯損傷などが原因となる内出血によるものを「膝関節血症」と呼ばれています。
「膝関節水腫」によって溜まる関節液のことを『滑液』と言います。
ひざ関節内全体には関節包という膜によって覆われていますが、その膜の内側には滑膜という膜があり、滑膜によって包んでいる空間を関節腔と言います。
この中にある関節液が滑液ですが、関節の潤滑油の役割と共に、軟骨に栄養を供給して保護に努めていることが知られています。
しかし、変形性膝関節症などの病気が生じてしまうと、関節内の軟骨がすり減ってしまい、覆っている滑膜自体が炎症を引き起こしてしまうのです。
それが原因となって滑液が増加してしまうのですが、関節内では滑液を吸収しきれずに、結果的に水が溜まった状態になってしまうのです。
滑液とは~水が溜まる原因と症状

本来、滑液は関節内にある軟骨のすり減りを防止し、軟骨の健康を保つために栄養を供給しているものです。
しかし、何かしら軟骨がすり減ってしまうことによって、滑液が多く分泌されることになってしまい、結果的に水が溜まることになってしまうのです。
滑液が溜まる原因として多いものには、次の病気が挙げられます。
- 変形性膝関節症
- 関節リウマチ
- 痛風
- 偽痛風
- 外傷性膝関節炎
特に多くみられるものに「変形性膝関節症」と「関節リウマチ」があります。
「変形性膝関節症」は、ひざ関節内の軟骨がすり減ってしまう病気で、強い痛みやひざの変形が見られます。
加齢によるひざ周辺筋肉の衰えや肥満によって、ひざ関節内に大きな負担をかけてしまうと、軟骨をすり減らしてしまう原因となります。
軟骨がすり減ってしまうことによってひざ関節内に炎症が生じ、滑液が増加してしまう原因となるのです。
「関節リウマチ」とは、免疫の異常によって関節内に炎症が生じる病気で、激しい痛みや著しい関節の変形がみられるようになります。
滑膜が炎症を引き起こし慢性化することによって、滑膜が増殖し、周辺の組織を破壊することが原因であると考えられています。
炎症が生じる過程において、滑液の増加もみられることが多く、ひざに水が溜まってしまう症状がみられるようになります。
そのほかにも、「痛風」「偽痛風」「外傷性膝関節炎」においても、ひざ関節内に炎症を生じさせる病気ですので、ひざに水が溜まる原因となります。
ひざの水を抜くと癖になる?治療に必要なの?
ひざに溜まった関節液は、「抜くと癖になる」と言われることがあります。
確かに水を抜いて、また水が溜まることもありますが、これは癖になっているものではないのです。
冒頭からお伝えしている通り、水が溜まるのは、原因となる病気やケガなどがあります。
単に水を抜いても、これらの原因となる病気やケガが改善できていないと、また水が溜まってしまうのです。
そのため、水が溜まった原因について明らかにし、その原因を取り除く治療をすることが大切になります。
水を抜くことを「関節穿刺」と言いますが、水の性状を検査することによって水が溜まっている原因を探ることもできます。
例えば、水が溜まっていると思って診断してみれば、関節内に内出血を引き起こしており、水ではなく血液だったということがあります。
また水ではなく、膿であることも見受けられるのです。
そのため、ひざの腫れやむくみをなくすだけではなく、治療するうえでも水を抜くことが大切になることもあるのです。
軟骨のすり減りを保護して、滑膜の炎症を抑えることによって、滑液の量も自然に正常な状態に戻ってきます。
ひざサポーターをうまく活用することによってひざを支えることができますから、自然治癒力を高めることに繋がります。
自身の症状にあったサポーターを装着すると効果的です。
ひざの水(関節水腫)にはひざサポーターを活用した治療を
関節水腫によるひざに水が溜まった状態であれば、ひざの負担を減らすことによって、軟骨のすり減りを食い止めることができます。
炎症を抑えることに繋がり、滑液の量を正常に戻すことが可能になります。
ひざサポーターをうまく活用することによって、ひざの負担を軽減させ、関節内の軟骨のすり減りを防ぐことができます。
そのため、治療の中でうまくひざサポーターを活用すれば、治療効果を高めることができるようになるでしょう。
- 仕事や家事など活動量が多い
- 活動量が少ない
- 安静を保ちたい
上記でもサポーターの種類についてご紹介しましたが、日常でのシーンにあわせて、ひざサポーターも使い分けることがいいでしょう。
仕事や家事などによって活動量が多い場合には、ひざ関節をしっかりとサポートできるものを選ぶようにします。
ひざ関節を両側からサポートすることによって、ひざにかかる荷重のバランスを取れるようになるために、軟骨のすり減りを予防することができます。
痛みを軽減させることもでき、滑膜の炎症を抑えることにも繋がります。
自宅内など活動量が少ないシーンにおいては、動きやすさや手軽さを重視したものを活用するようにすればいいでしょう。
ショートタイプのものが用意されており、手軽に着脱ができることから、自宅内などにおいては使い勝手がよく、ひざ周辺の筋肉の低下も防ぐことができます。
夜間など安静を保ちたいシーンにおいては、冷やさないようにすることが重要です。
特に、ひざに水が溜まった状態では、冷やしてしまうことによって血流量を低下させてしまうことになります。
血流が滞ってしまうと、症状を改善させにくくなってしまうのです。
そのため、寝ている時など安静にしている時には、ひざを保温するためのサポーターをうまく活用することがいいでしょう。