ひざ裏の腫れや違和感、ひざの内側の痛みの原因は?治療法や筋肉トレーニング方法について

膝裏の腫れや違和感、膝の内側の痛みの原因は?

膝は私たちの体重をすべて支えており、日常生活を営むうえでとても重要な関節であると言えます。
しかし、スポーツや家事などで足を酷使することによって、腫れや違和感を感じるようになったり、加齢によって痛みを生じさせてしまうことがあります。
その原因となる病気にはさまざまなものが考えられます。
ランニングによる膝裏の違和感、膝の内側の痛み…
ランニングの愛好家は増えていますが、その習慣の中で膝に違和感を感じることがあります。
膝裏に腫れや違和感を感じたり、膝の内側に痛みを感じたり、その症状はさまざまです。
膝は私たちの体を支えている重要な関節で、ランニングをしている場合においては体重の数倍もの負担がかかっていると言われます。
膝の腫れや違和感、痛みは、その原因の多くに「使いすぎ」が考えられます。
安静にしておけば症状が改善する場合がありますが、放置していることによって痛みが慢性化してしまうこともあります。
そのため症状が現れた場合においては、安易に考えずにきちんと治療に取り組んでおくことが大切です。
鵞足炎(がそくえん)とは
ランニング愛好家が膝の内側に痛みを感じて病院に受診すると、「鵞足炎(がそくえん)」と診断されることがあります。
鵞足炎とは膝の内側下方にある「鵞足」と呼ばれる部位に炎症が生じる病気です。
脛の骨である脛骨の内側には、縫工筋や半腱様筋、薄筋といった筋肉が骨に付着している腱の部分があり、その部位にある滑液包に炎症が生じることによって症状が起こります。
滑液包とは骨と軟部組織にあるゼリー状のもので、摩擦を軽減するためのクッションの役割となっています。
しかし、膝を使いすぎてしまうことによって、この滑液包に負担をかけてしまい、痛みを引き起こしてしまうのです。
ランニング愛好家をはじめ、スポーツ選手に生じやすい症状であり、転倒などの打撲によって発症してしまうこともあります。
膝に痛みを引き起こす病気や怪我
- 腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)
- 膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)
スポーツによる膝の使いすぎで痛みを引き起こす原因として代表的なものには、上記の病気が挙げられます。
「腸脛靭帯炎」は「ランナー膝」と呼ばれることもある通り、ランニング愛好家や陸上競技の選手に多くみられる症状です。
足を酷使することによって症状を引き起こします。
膝を過剰に屈伸運動させることによって腸脛靭帯と太ももの大腿骨が擦れてしまい、炎症を生じさせてしまいます。
「膝蓋靭帯炎」とは、「ジャンパー膝」と呼ばれることもあり、バレーボールやバスケットボールなどのジャンプ動作を行う競技や、サッカーなどのキック動作が多い競技にみられる症状です。
ジャンプ動作などを頻回に行うことによって、膝蓋腱に過度なストレスをかけてしまい、炎症を生じさせてしまいます。
慢性的な膝の痛みは?
- 変形性膝関節症
- 関節リウマチ
膝の痛みが慢性的な場合、その代表格の病気として「変形性膝関節症」「関節リウマチ」が挙げられます。
「変形性膝関節症」は、膝関節の軟骨がすり減ってしまうことによって、膝の骨同士がぶつかってしまい、強い痛みが出る病気です。
初期症状の間には、歩き始めなどに痛みが生じ、安静にしていれば治まることが多いですが、治療せずにいるとどんどん悪化して安静にしていても痛みが生じるようになります。
加齢に伴う膝周辺筋肉の衰えによって生じやすくなり、軟骨がすり減ることによって膝の変形がみられるようになります。
「関節リウマチ」は免疫異常によって関節の炎症を引き起こす病気です。腫れや痛みを生じさせ、症状の悪化とともに関節に変形がみられるようになります。
関節内側にある滑膜が炎症を起こしており、慢性化することによって周辺組織をどんどん破壊するようになってしまいます。
あなたの膝の症状は?
- 膝を動かしたときに痛むことがある
- 階段の昇降や走った際に痛みだす
- 膝の曲げ伸ばしに違和感がある
- 膝にだるい感じや重い感じがある
- 膝を押すと痛みを感じる
- 正座をすることができない
- 足をまっすぐ伸ばすことができない
- 膝に腫れがみられる
- スポーツをしていたり膝をよく使う
- 肥満である
これらの症状にいくつも該当するようであれば、上記でご説明した病気のいずれか、すでに発症している可能性があります。
膝の痛みや違和感は、初期症状であれば早く改善させることができますが、実際にはそのまま放置してしまい悪化させているケースが多くみられます。
「安静にしていれば大丈夫だろう」と安易に考えずに、早めに診断を受け、適切な治療に取り組むようにしましょう。
膝痛による介護の必要性について

加齢に伴って膝関節に痛みを抱える方が多くみられますが、特に高齢になると変形性膝関節症の発症率が多くなります。
膝は私たちの体重をすべて支えている関節ですから、加齢によって周辺の筋肉が衰えてしまうことによって大きな負担をかけてしまうことになります。
最初は歩き始めなどだけに痛みが生じますが、どんどん悪化してしまい常に痛みを感じたり、膝に水が溜まったり、膝が伸ばしにくくなったりします。
すると外出することが億劫になってしまい、ついには歩くことが困難になってしまうこともあります。
痛みで歩けなくなってしまうと、さらに膝周辺の筋力が低下してしまう、悪循環に陥ってしまいます。
そのため、高齢になると膝の痛みには十分注意が必要です。
膝に違和感を感じるような場合には早めに治療を行うようにし、適度に運動を行うことによって膝周辺の筋力を衰えさせないようにするといいでしょう。
介護予防のためにも、「膝の痛みは高齢になると誰もが起きるもの」と軽く考えないことが大切です。
【膝の内側が痛い】そんな時は…

歩きはじめや階段の昇降などにおいて、膝の内側の痛みに悩まされるという方は多くいらっしゃいます。
特に40代以降の方であれば変形性膝関節症であるケースが珍しくありません。
ここでは、変形性膝関節症の治療法や自宅で簡単に取り組める筋肉トレーニング方法についてご紹介していきます。
変形性膝関節症はどんな治療をしていますか?
- 運動療法
- 薬物療法
- 手術療法
変形性膝関節症の治療法として、上記3種類を代表的なものとして挙げられます。
変形性膝関節症は加齢に伴う膝関節周辺の筋肉の衰えによって、膝への負担が大きくなってしまい、症状を悪化させてしまうことになります。
そのため、緊張した筋肉をほぐしたり、関節の動きを改善させたり、血行を促進させるような運動療法に取り組むことが一般的になっています。
膝周辺に痛みがある場合には、湿布や軟膏などの外用薬を活用したり、消炎鎮痛効果のある内服薬を服用することもあります。
痛みが強い場合には、座薬や関節内注射が用いられることもあります。
そのような治療法でもなかなか改善が見られない場合においては、手術療法が選択されます。
手術療法には、「関節鏡視下手術」「高位脛骨骨切り術」「人工膝関節置換術」の3種類の方法があります。
自宅でできる簡単な筋肉トレーニング方法
膝の内側の痛みには、鵞足周辺の筋肉をほぐしながら、有効な筋肉トレーニングに取り組むようにするといいでしょう。
- 背もたれのある椅子に深く腰掛ける
- 痛みが生じる方の足を水平まで持ち上げる
- 5秒程度キープする
- ゆっくりもとに戻す
ただし痛みが生じるような場合には、主治医の指示を得て行うようにしましょう。
変形性膝関節症で悩む患者さんの多くに「膝の内側が痛い」といった訴えがあります。
その原因は、膝の内側下方にある鵞足と呼ばれる部分が硬くなってしまって、炎症を引き起こしていることが少なくありません。
鵞足周辺が硬くなってしまうと、膝に体重をかけることによって痛みを生じさせてしまうのです。
硬くなったまま放置していると、膝を使えば使うほど負担をかけてしまうことになり、膝関節の軟骨がどんどんすり減ってしまうことになります。
自宅でも筋肉トレーニングに取り組むようにしましょう。
変形性膝関節症の特徴は何ですか?
変形性膝関節症は特に中高年の女性に多くみられる症状です。
何年にもわたって少しずつ関節内側にある軟骨がすり減ってしまう病気であり、骨同士がぶつかって痛みが生じたり、膝の変形が生じたりするのが特徴です。
初期症状の際には、動き始めの際に鈍い痛みやこわばりを感じられます。この時期には、少し動いていると痛みや違和感がなくなりますので、それほど気にならないことも多いです。
しかし少し症状が進むと、正座や階段の昇降などにおいて痛みが生じるようになります。
さらに悪化すると、安静にしても膝の痛みがなかなか治まらないようになります。
腫れや熱感、強い痛みを感じるようにもなり、歩いているときに関節がきしんでいる音がすることもあります。
この状態のまま放置していると、膝関節内の軟骨はほとんどなくなってしまいます。
立ち上がったり歩いたりすることが辛くなってしまい、日常生活に大きな支障をきたすようになります。
変形性膝関節症はこのような経過をたどる病気です。気になる症状があるのであれば、早めに医療機関に相談するようにしましょう。