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人工関節とは~膝関節・股関節の痛みに対する人工関節置換術とはどんな手術?

ひざの痛み この記事は約 8 分で読めます。

人工関節とは

人工関節とは、金属やセラミック、ポリエチレンなどで作られている人工的な関節のことを言います。病気や障害によって痛みや変形などが生じた関節機能を人工関節に置き換えることによって回復させることができます。

そのような人工関節に置き換える手術のことを「人工関節置換術」と呼んでいます。

高度の障害が生じている関節を取り除くために、痛みや変形を取り除くことができる効果が高いのが特徴です。

そのため、術後においては早い段階で痛みがなくなり、歩行がスムーズにできるようになりますから、リハビリを開始することも可能となります。

早期に筋力を回復させることができ、動作もスムーズになり、生活の質向上に繋がります。

人工関節置換術の費用について

人工関節置換術の費用について

人工関節置換術は、かなり高額なイメージがありますが、高額療養費制度や自立支援医療(更生医療)制度を活用することによって、安心して治療に取り組むことができます。

『高額療養費制度』とは、病院や薬局で支払う医療費が1か月の上限を超えた場合に、その超えた額を支給するという制度のことを言います。

上限額については、年齢や所得に応じて定められています。

例えば、70歳以上の方で所得が年収156万~約370万円の場合であれば、世帯での外来費用の上限は1か月で57,600円と定められています。

『自立支援医療制度』とは、身体障害者手帳の交付を受けた方(18歳以上)が、人工関節置換術を利用した治療を受け、更生するために必要な医療費を支給するという制度になります。

原則として医療費の1割を自己負担することになり、世帯の所得に応じて1か月の自己負担上限額が定められています。

詳しくは受診時に相談するようにしましょう。

人工関節置換術による身体障害者手帳の申請について

以前は人工関節置換術を受けた方は一律で身体障害者手帳の認定がされていました。

しかし医療技術の進歩によって、術後に大きな支障がなく日常生活を送ることができるようになったことから、以下のように基準が定められています。

身体障害者手帳の認定については、人工関節置換術後に経過の安定した時点で関節可動域などに応じて決定されることになります。

股関節・膝関節の人工関節置換術については「4級」「5級」「7級」「非該当」のいずれかになります。肩関節・肘関節も同様に扱われています。

足関節については「5級」「6級」「7級」「非該当」のいずれかになります。

人工膝関節とは~膝関節痛に悩む方に

膝関節痛に悩む方はとても多く、特に加齢に伴ってその割合は増加傾向にあります。

初期症状には服薬やリハビリテーションなどによって改善が図られますが、それでも改善が見られない場合においては人工膝関節置換術が選択されることがあります。

人工膝関節置換術とは

人工膝関節置換術とは、膝関節痛が生じる部分を取り除いて、金属やポリエチレンの人工関節に置き換える手術のことを言います。

痛みを取り除く効果に優れており、早期に改善を図ることができますので、術後の早い段階からリハビリテーションに取り組むことができます。

人工関節置換術は、一般的に年齢60歳以上の方で、ほかに有効な治療法がない場合に選択されています。

手術については、膝関節の損傷している部位を取り除き、周辺の靭帯をもとの正常な膝関節の形になるように整えて、人工関節を固定するための準備を行います。

使用する人工関節は障害の程度によっても異なり、障害が軽い場合には骨の表面だけを削って置換することになりますが、障害が重い場合には複雑な部品が必要となる場合もあります。

手術の際の切開はなるべく小さくして、患者さんの負担を少しでも軽くすむような方法がとられます。

手術後の約2日間程度は安静が必要となりますが、3日目くらいからリハビリテーションを始めることが多くなっています。

膝関節痛に多い『変形性膝関節症』

膝関節痛に多い病気として『変形性膝関節症』があります。

膝関節は体の中でも大きな関節の一つであり、太ももの大腿骨をはじめとして、膝のお皿である膝蓋骨や脛骨などによって構成されています。

また太ももの筋肉の力をうまく活用することができるようになっており、曲げたり、伸ばしたりしながら、立ったり歩いたりといった動作を行うことができます。

歩行時には体重をしっかりと支えることができるようになっており、階段の昇降をするような場面においては体重の数倍もの重さを支えていると言われています。

しかし加齢に伴って、膝関節内にある軟骨が弾力を失うようになると、すり減ってくることがあります。

すると、関節に変形が見られるようになり、膝関節に痛みが生じ、階段の昇降や歩行が困難となってしまうのです。

変形性膝関節症は初期症状の場合には、できるだけ手術をせずに服薬や貼り薬などによる治療に取り組みながら、膝への負担を減らすように体重を減らしたり、リハビリテーションによって痛みを楽にしていきます。

しかし、それでも改善が見られない場合においては、人工関節に置き換える必要が選択される場合があります。

人工股関節とは~股関節の仕組み・病気について

股関節には「変形性股関節症」「大腿骨頭壊死症」などといった痛みや変形がみられる病気が生じ、股関節の機能を損傷させてしまうことがあります。

初期症状の場合には、鎮痛剤や運動療法などによって改善を目指すことになりますが、症状に改善が見られない場合には人工股関節置換術が選択される場合もあります。

人工股関節置換術とは

人工股関節置換術とは、変形性股関節症や大腿骨頭壊死症などといった病気のために損傷を起こした股関節を人工の股関節に置き換える手術のことを言います。

人工股関節は、股関節の受け皿となる「ソケット」、骨頭と呼ばれる「ボール」、そのボールがついた「ステム」、ソケットの内側には超高分子ポリエチレンで作られている「ライナー」によって構成されています。

ライナーは関節の軟骨の役割を担っており、これらを組み込むことによって、スムーズな股関節の動きが可能となります。

人工股関節置換術は疾患のある股関節の骨の損傷部分を取り除き、骨の代わりとなる人工関節を固定することになります。

人工関節の部品を骨セメントを活用して骨に固定する「セメント人工股関節」、金属表面を加工して骨セメントを用いずに骨に直接固定する「セメントレス人工股関節」があります。

ソケットのみをセメントレスで固定し、ステムを骨セメントで固定する「ハイブリッド人工股関節」が選択される場合もあります。

股関節の仕組み

股関節は、太ももの大腿骨の先端にあるボールの形をした大腿骨骨頭、骨盤側で骨頭の受け皿となる臼蓋を組み合わせて構成されています。

大腿骨骨頭と臼蓋の表面は軟骨で覆われていて、股関節の周りには筋肉や腱によって支えられています。

正常な股関節の場合、大腿骨骨頭のおよそ4/5が臼蓋によって包み込んでおり、股関節を前後左右、あるいは回したりしても動きが安定するようにできています。

股関節の動きをいつまでも正常に維持するためには、負担をかけすぎないように注意しながら、支えている筋力を低下させないように維持することが大切です。

股関節の主な病気

■変形性股関節症

股関節痛や股関節の動きに制限がみられる場合にもっとも多い病気が「変形性股関節症」です。生まれつき股関節の大腿骨骨頭の受け皿である臼蓋が浅い状態の方が、加齢によって負担がかかり軟骨がすり減ってしまうことによって生じ、痛みを引き起こすようになります。

■大腿骨頭壊死症

股関節の大腿骨骨頭の一部の血流が悪くなることによって壊死を起こしてしまう病気を「大腿骨頭壊死症」と言います。壊死すると骨折したり、大腿骨骨頭が潰れてしまい、強い痛みが生じ歩けなくなることもあります。

■関節リウマチ

免疫の異常によって関節の中にある滑膜と呼ばれる部分に炎症が起こり、腫れてきたり、こわばりが生じるようになります。炎症を起こした骨膜は軟骨や靭帯を破壊してしまい、関節機能を損傷させてしまうために、関節に変形が見られるようになります。

人工関節置換術Q&A

人工関節置換術のリスクは?

人工関節置換術のリスクとして、感染症を引き起こす可能性が指摘されています。

置換する関節内に細菌が侵入することによる合併症ですが、発症率は1%~3%程度であるとされています。

手術中に細菌が侵入する早期感染症、術後に二次的に感染する遅発感染症があり、多くの場合で再手術が必要となります。

予防策として、手術は空気中の細菌が極力少なくなった手術室で行われ、手術後には抗生剤を数日間投与します。

また手術の創は特殊なフィルムで保護するようにし、手術前には歯科受診によって口腔内の衛生状態のチェック、鼻腔内の細菌検査も行います。

どれくらい入院する必要がありますか?

個人差はありますが、おおよそ3週間から1か月程度の入院期間となります。高齢者の場合であれば1か月ほど入院する方が多くみられます。

手術後2週間程度で抜糸となり、歩行もできるようになります。その後、動作が問題なくできるようになるのに、2週間程度かかります。

手術前に筋力が低下している場合には、関節が良くなってもなかなか歩けないこともあり、1か月以上の入院期間となることもあります。

人工関節置換術を受ける際の麻酔は?

人工関節置換術においては痛みを抑えるために全身麻酔によって意識がない状態、もしくは脊椎麻酔や硬膜外麻酔によって下半身の感覚がない状態で行います。

あらかじめ主治医から説明を行い、麻酔専門医によって麻酔をかけます。

麻酔は安全ではありますが、患者さんの持病や体質、年齢などによってはリスクとなることがあります。そのため、手術中は必ず麻酔専門医が付き添いを行い、様態によって薬のコントロールを行うことになっています。

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ライター紹介

いしがみ整形外科クリニック

いしがみ整形外科クリニック

川越市にあるいしがみ整形外科クリニックは、再生医療・リハビリ・ひざ低周波治療の組み合わせ、経験数は日本のトップランナーです。
当院では、ひざ、かた、股関節、足関節などに再生医療(PFC-FD)を月間に55件行っています。効果的なリハビリとあわせると、有効率は90%です。

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