ひざに水がたまる…軟骨の老化『変形性膝関節症』の症状

膝に水が溜まる…『変形性膝関節症』の症状

「膝に水が溜まっています。」
変形性膝関節症で通院していると、このように診断されることがあります。
そもそも、変形性膝関節症でなぜ膝に水が溜まってしまうのかというと、膝関節内の軟骨がすり減ってしまい、炎症が生じることによって関節内にある関節液が増加してしまうためです。
『変形性膝関節症』~加齢に伴って膝関節が変形してしまう
変形性膝関節症は、加齢に伴って軟骨がすり減ってしまうことが原因です。
すり減ってしまう原因は、筋力の低下や肥満などによって、膝関節への負担が大きくなることが考えられますが、その背景にあるものは『老化』です。
筋力が伴っている状態では、多少負担をかけたり、肥満であるとしても筋力がカバーして膝関節を守ってくれます。
しかし、加齢に伴って膝関節周辺の筋力が衰えるようになると負担が大きくなってしまい、骨が軟骨をすり減らしてしまうのです。
軟骨は膝関節のクッションの役割を果たしているものですが、このクッションがすり減ってくると、骨同士がぶつかり合うようになり、痛みが生じるようになります。
また、クッションのすり減りが進んでしまうと、膝関節自体の変形が明らかになってきます。
さらに、膝関節内に水が溜まってくることも多くなり、痛みが生じるとともに、膝の曲げ伸ばしなどが不自由になり、歩行や家事などに大きな影響を受けるようになります。
「膝に水が溜まる」とは?
変形性膝関節症の症状では、膝に水が溜まってしまうことがよく見受けられます。
膝関節の軟骨がすり減ってしまう過程において、関節液が増加してしまうことが原因です。
関節液は滑液であることが多く、内出血による血液であることもあります。
滑液とは、膝関節の潤滑油の役割を果たしている液体で、軟骨への栄養を供給していることでも知られています。
変形性膝関節症によって軟骨にすり減りが生じてしまうと、関節内に炎症が生じてしまい、滑液がどんどん分泌されるようになるのです。
通常では分泌された滑液は関節内に吸収されてしまうのですが、異常に増加してしまうことによって吸収しきれなくなってしまい、結果的に水が溜まってしまうのです。
膝に水が溜まる…『変形性膝関節症』の対処法

「膝に水が溜まる」原因はさまざまですが、その根本原因を取り除かなければなりません。
治療において「水を抜きましょう」と提案されることもありますが、根本原因が解消できない状態であれば、水を抜いてもまた溜まってしまうことになります。
そのため、膝の治療に取り組みながら、日々の膝への負担を軽減させることが大切であると考えられます。
ここでは、膝に水が溜まる対処法をご紹介していきましょう。
膝の安静を保てる時の対処法
膝の安静を保てるような場合においては、膝を冷やさないようにすることが大切です。
変形性膝関節症で膝に痛みが生じるような場合においては、お風呂などで温めた方が痛みは和らぐのではないでしょうか。
もちろん炎症が生じて、熱感があるような場合には冷やさなければならないのですが、痛みが慢性化しているような場合には血流を高めることが必要です。
自宅で過ごしている場合や就寝時など安静を保てるようなシーンにおいては、保温ができるサポーターを装着しておくといいでしょう。
寒い時期ではもちろんのことですが、夏場の暑い時期でもエアコンによって、膝が冷えてしまうことがあります。
身体が冷えてしまうと、血管が収縮してしまい、血流を低下させてしまいます。
このような状態で膝を動かしてしまうと、膝に大きな負担をかけてしまうことになり、さらに痛みが生じ、水が溜まる原因となってしまうのです。
そのため、暑い時期でも膝だけは保温サポーターを装着するなど、冷えの予防を行っておくことが大事です。
湿布薬とリハビリテーション
変形性膝関節症の治療において、湿布薬など消炎鎮痛剤が処方されることがあります。
膝サポーターと共に活用することで、痛みを緩和させながら、治療に取り組むことができます。
湿布薬にはさまざまなものがあり、貼付するタイプのものや、塗布するタイプのものもあります。
患部に貼ったり塗ったりすることによって、膝関節内に鎮痛効果のある成分をしっかりと浸透させることができます。
同時に膝サポーターで保温に努めておくと、血流が高まり相乗効果を得ることができますのでおすすめです。
貼付するタイプのものでは「温湿布」「冷湿布」と呼ばれるものがあり、塗布するタイプのものでは、クリーム状やゲル状のものなどがあります。
自身に合ったタイプのものを処方してもらうといいでしょう。
痛みが少しずつ緩和してくれば、お風呂などで温めながら膝の曲げ伸ばしなど、リハビリテーションに取り組むことができます。
膝関節への負担を避けながらリハビリテーションに取り組むことによって、さらに膝の状態を改善させることに繋がります。
膝サポーターのさまざまな効果
変形性膝関節症の治療において、膝サポーターを活用することによって症状の改善に役立ちます。
膝周辺の筋肉が衰えている状態では、膝関節への負担が大きく軟骨がどんどんすり減ってしまいますが、膝サポーターを装着することによって膝の負担を軽減させることができます。
上記においては、保温用の膝サポーターをご紹介しましたが、生活でのあらゆるシーンに合わせたものを活用するといいでしょう。
例えば、「外出時や仕事など積極的に行動するシーン」や「家事など自宅内で行動するシーン」などでは、使い分けをしておくことが便利です。
「外出時や仕事など積極的に行動するシーン」においては、膝の負担をできる限り軽減させることができる、しっかりサポートできるものを選びます。
膝両側をサポートできるものであれば、膝のぐらつきがなくなりますので、歩行や仕事などのシーンにおいても軟骨への負担を少なくすることができます。
また「家事など自宅内で行動するシーン」では、装着が手軽にできるものや、少し小さめのものを選んでおくと使い勝手がいいでしょう。
短めのものであれば、装着が簡単であり、また自宅内などで家事を行うようなシーンに適しています。
このようにシーンにおいて膝サポートを使い分ければ、痛みを緩和させながら、うまく動作を行うことができるようになります。
負担を軽減しながら日常的な動作を行えば、それ自身がリハビリテーションになりますから、膝周辺の筋力アップを図ることもできるのです。
膝サポーターでよくある質問

「膝サポーターで膝の水が良くなりますか?」というご質問をいただくことがあります。
冒頭からお伝えしている通り、変形性膝関節症によって膝に水が溜まっている状態であれば、まず変形性膝関節症の症状を改善させなければなりません。
変形性膝関節症は膝関節周辺の筋力が低下して、膝を支えることができなくなってしまい、膝関節内の軟骨に負担をかけてしまいすり減らしてしまう病気です。
膝サポーターは、膝周辺の筋肉や腱の役割を果たしてくれます。そのため、膝への負担を軽減させることができるようになるのです。
膝の負担が軽減した状態であれば、積極的に運動療法などの治療に取り組むことができるようになります。
そのため、リハビリテーションに取り組む場合であれば、膝をしっかりと固定させることができるサポーターを着用するようにしておくといいでしょう。
自宅内などで家事をするくらいであれば、短めの装着のしやすい膝サポーターを活用すると使い勝手がよく、邪魔になるようなことはありません。
また、睡眠時など安静にしている場合には、保温用の膝サポーターを活用して、膝を冷やさないようにすることが大切です。
膝サポーターのサイズについては、医師や理学療法士などに相談することをおすすめします。
膝に水が溜まっている場合には、その腫れ具合に応じたものを活用する必要があります。
あまりに圧迫感のあるものを活用してしまうと、血管まで圧迫してしまうことになりますので、血流を低下させてさらに浮腫んでしまう原因となってしまうことがあります。
腰痛を治す『腰痛ベルト』や骨盤の異常を治す『骨盤ベルト』も
変形性膝関節症でお悩みの方には、腰痛など膝以外の痛みなどが生じていることも珍しいことではありません。
膝関節の痛みなどによってかばうように歩いていたり、膝の変形が生じてしまうようになると、腰や骨盤などに負担をかけてしまうようになるからです。
腰は「脊柱」と呼ばれる背骨によって、上半身すべてを支えています。また「骨盤」は脊柱を支える土台となるものです。
そのため、膝サポーターの装着だけではなく、『腰痛ベルト』『骨盤ベルト』などの装着もおすすめです。
膝サポーターと同様に、『腰痛ベルト』『骨盤ベルト』においても、腰や骨盤をしっかりと固定して支えることができます。
特に変形性膝関節症を生じさせる方に加齢による筋力低下が多く見受けられます。
そのため、運動量が多いシーン、少ないシーン、安静にしているシーンなど、膝サポーターと同じように使い分けをすれば、症状にあわせて過ごすことができるようになります。