ひざの痛みを和らげるためにストレッチで筋肉を柔軟に保ちましょう!

膝の痛みを和らげるためにストレッチで筋肉を柔軟に保ちましょう

つらい膝の痛み…。
膝に痛みを感じることによって外出できなくなったり、動くことが億劫になったりします。
安静にしておくと少し改善することもありますが、動かすとまた同じように痛みだしてきます。
挙句の果てになかなか痛みが取れなくなってしまい、安静にしても痛みを感じてしまうようになります。
このように、膝の痛みは痛いからと言って安静にし続けていると、かえって動かしにくくなったり、痛みが感じやすくなったりします。
そのようにならないためには運動に取り組んで、膝周辺にある筋肉を柔軟に保っておくことが大切です。
もちろん、運動と言っても激しいものや強いものではなく、自身の症状にあった取り組みができるものです。
ここでは、膝関節の仕組みをはじめとして、膝周辺の筋肉を柔らかくするストレッチ法について詳しくお伝えしていきます。
膝関節のしくみ
膝関節は、太ももの骨である大腿骨(だいたいこつ)とすねの骨である脛骨(けいこつ)、さらに太ももの筋肉である大腿四頭筋(だいたいしとうきん)と膝のお皿である膝蓋骨(しつがいこつ)、膝蓋骨を支える膝蓋腱(しつがいけん)によって構成されています。
さらに、その周囲を「関節包(かんせつほう)」と呼ばれる袋によって包まれていることが知られています。
膝関節は骨と骨との接合が浅く作られているために関節だけでは不安定であり、安定するように筋肉や腱、靭帯によってサポートしています。
膝に痛みを生じさせる原因は、膝関節内にある「軟骨」にあると考えられています。
加齢や運動不足などによって膝周辺の筋肉が衰えてしまうと、膝を支えられなくなってしまい、膝関節内の軟骨が少しずつすり減ってしまうようになります。
軟骨がすり減ってしまうと、骨と骨がぶつかり合ってしまい、強い痛みが生じるようになるのです。
軟骨が一度すり減ってしまうと、元に戻すことはできませんから、膝の負担を抑えて、筋力を衰えさせないようにすることが大切です。
膝の痛みを防ぐには運動が重要です
膝周辺にはさまざまな筋肉があり、膝関節を支えています。特に重要な筋肉には次のものがあります。
- 大腿四頭筋(だいたいしとうきん)
- 前脛骨筋(ぜんけいこつきん)
- 腓腹筋(ひふくきん)
「大腿四頭筋」とは、太ももの前側にある筋肉であり、全身の中でももっとも大きいとされている筋肉です。その大きな筋肉によって、体重を支えることができます。
大腿直筋・内側広筋・中間広筋・外側広筋の4つの筋肉によって構成されており、これらの筋力が弱まってきたり、使いすぎて疲労させてしまうと膝に痛みが生じやすいと言われています。
「前脛骨筋」とは、膝から下の前面にある筋肉であり、足首の動きを柔軟に行うための筋肉です。この筋肉を使うことによって足首を反らすことができ、土踏まずを引き上げるような動作が可能となります。
この筋肉が弱まってくると土踏まずのアーチが崩れてしまうようになり、偏平足を生じさせてしまいます。偏平足になると足首や膝に負担をかけてしまうことになり、膝痛を引き起こす原因になると考えられています。
「腓腹筋」とは、ふくらはぎの筋肉のことであり、足首や膝を曲げ伸ばしして、歩いたり、走ったり、ジャンプしたりするために活用しています。
この筋肉が弱まってくると足首の動きが悪くなってしまい、膝の動きにも悪影響を与えます。膝に負担をかけてしまうことによって膝痛をもたらすと考えられています。
膝を支える筋肉を柔らかくするストレッチ法
- 大腿四頭筋
- 前脛骨筋
- 腓腹筋
上記でもお伝えした通り、これら3つの筋肉によって膝を支えています。これらの筋力が低下し、柔軟性を失くしてしまうことによって膝痛の原因となってしまいます。
これらのストレッチ法をご紹介しますが、身体の硬い方がいきなり強いストレッチを行うと、かえって膝を痛める原因となってしまいます。
まずは弱めにストレッチを行い、徐々に強度を高めていくようにしましょう。
「大腿四頭筋」のストレッチ法
座った状態で、ストレッチする方の足を曲げ、反対の足は伸ばしておきます。
息を吐きながらゆっくりと身体を後ろに倒し、太ももの前側を伸ばしていきます。
伸ばした状態で30秒保つようにし、反対側も行うようにします。
左右2~3セット行うようにしましょう。
「前脛骨筋」「腓腹筋」のストレッチ法
両足を伸ばして座った状態で、息を吐きながらゆっくりと、つま先を伸ばして脛の前側の筋肉を伸ばしていきます。
次に伸びているつま先を手前に引き寄せるように曲げていき、ふくらはぎの筋肉を伸ばしていきます。
いずれも伸ばした状態で5秒程度保つようにし、5回程度繰り返すようにしましょう。
膝の痛みの原因「関節包」に注目してみましょう

膝の痛みの原因は、膝関節内にある軟骨のすり減りだけではなく、関節包が硬くなってしまうことも指摘されています。
関節包について詳しくお伝えしていきましょう。
膝の痛みの原因「関節包」とは
膝の痛みの原因には、膝関節内の軟骨のすり減りに原因があるとお伝えしました。
しかし痛みの原因はそれだけではなく、膝関節を袋のように覆っている「関節包」が原因になることも指摘されています。
関節包の中では関節液と呼ばれる液体で満たされており、その液体が潤滑油となって関節を滑らかに動かす役割を果たしています。
ただ、膝に負担をかけ続けたり、無理に使い続けていることによって、炎症を引き起こしてしまい、関節包自体が硬くなってしまいます。
関節包が硬くなってしまうと、膝に痛みを生じさせてしまい、曲げ伸ばしがしづらくなってしまいます。
関節包の硬さをチェックしてみましょう
膝関節の関節包は、加齢とともに硬くなりがちであり、また、立ち仕事や正座などで膝に負担をかけ続けて炎症を引き起こすことによっても生じることがあります。
つまり、関節包が硬くなるだけで痛みを生じさせてしまう原因となってしまいますから、常に状態を確認して柔軟性を高めるようにしておくことが大切です。
関節包が硬くなっているかどうかは、チェック法を試してみることをおすすめします。
仰向けになった状態で。どちらかの足首を掴んで、お尻の方まで引き寄せていきます。このときにお尻にかかとがつかない場合には、関節包が硬くなっていると考えられます。
両方の足でチェックしてみて、関節包が硬くなっているようであれば、次にご紹介するストレッチ法を試してみるようにしてください。
関節包を柔軟にするストレッチ法
関節包のチェック法において硬いことが確認できれば、これからご紹介するストレッチ法に取り組むことをおすすめします。
足を伸ばした状態で座ります。
そのままの状態で、太ももの前側の筋肉に力を入れ10秒程度キープするようにし、その後、力を緩めます。
この動作を10回程度繰り返すようにします。
これを1セットとして、1日3セット程度を目安にして取り組むようにします。
ただし、安静にしている状態でも膝に痛みがあるような場合には、関節包が原因ではないことがありますから、主治医の指示を受けてから取り組むようにしてください。
また、腫れや熱感があるような場合においても無理に取り組むことは避けましょう。
「お風呂正座」が効果的
関節包のストレッチは、お風呂で行うことも効果的です。
お風呂で行う場合では、浴槽の中で縁を持って膝をついた状態になって腰をまっすぐ伸ばします。
そのままゆっくりと腰を降ろしていくようにし、膝を曲げて正座の姿勢になっていきます。
膝を曲げた状態で10秒程度キープし、何度か繰り返すようにします。
お風呂に入る時にはこの「お風呂正座」を行うようにし、膝を曲げて突っ張るような感覚がなくなることを目指していきます。
ただし、お風呂の浴槽内は滑ることがありますから、十分注意して取り組むようにしましょう。
関節包の柔軟性を高めるトレーニングの進め方
上記の関節包のストレッチ法に取り組んでみて、痛みが少しずつ改善してきたら、膝周辺の筋肉のトレーニングに取り組むようにしましょう。
ただし、中高年の方がいきなりトレーニングをすると、膝関節に大きなダメージを与えることもあります。
そのため最初は無理せず、ウォーキングすることがおすすめです。
ウォーキングは運動しながら酸素を取り入れることができる「有酸素運動」と呼ばれるもので、筋力アップと共に膝に負担をかけてしまう肥満防止にも役立ちます。
最初は無理のない距離からスタートし、週に2~3日程度から始めてみるといいでしょう。
MRI検査による膝の検査について

膝周辺の筋肉が衰えを見せるようになると、膝を安定して支えられなくなってしまい、膝の軟骨がすり減って痛みが生じるようになります。
そのような膝の状態を確認するために、主にレントゲン検査が行われています。
ただ、近年ではMRI検査によって膝の状態を直接観察できる技術が開発されるようになりました。
MRI検査の優れている点は、膝関節を立体的に捉えられることにあります。
レントゲン検査では二次元画像でしか確認することができませんが、MRI検査では3次元化して3D画像で捉えることができます。
つまり軟骨の状態をあらゆる角度で調べることができますから、正確な判断ができるようになるのです。
そのため、今後の膝の痛みに対する治療に期待されています。